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アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患ではない
いささか唐突ですが、「アトピー性皮膚炎はアレルギーの病気(アレルギー疾患)ではない」。
こうお話ししたら、驚かれる人が多いのではないでしょうか。
しかし、これはかなり本当のことなのです。
アレルギー疾患は、アレルギー体質をもっている人に発症する病気です。
ところが、アトピー性皮膚炎の場合、実際に血液検査をしてみると、8割ぐらいの患者さんはたしかに「アトピー素因(アレルギー体質の一つ)」をもっていますが、残り2割の患者さんはこうした体質をもっていなくてもアトピー性皮膚炎を発症しています。
また、アレルギー疾患はアレルゲンを除去することで症状がおさまります。
花粉症や食物アレルギーがまさにそうですが、花粉が飛ばない時期なら花粉症に悩まされることはなく、症状をおこす食べ物を口にしなければ食物アレルギーはおこりません。
しかし、アトピー性皮膚炎は、血液反応で陽性になるアレルゲンを除去したとしても、症状を完全に抑えることができません。
ですから、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患というより、「なんらかの要因でおこる皮膚の病気で、アトピー素因がかかわる場合がある」というのが正しいのです。
実際、「アトピー性皮膚炎という病名は本来の病態とは違い、患者さんの誤解を招いている」と考えている専門家も少なくありません。
こうした誤解を少しでも解くことができたらという思いで日々、医者は診療にあたっています。
「保湿」をすることが大事です
アトピー性皮膚炎はなんらかの要因でおこる皮膚の病気と書きましたが、では、なにが要因なのでしょうか。
それは、皮膚の弱さ、もろさです。
皮膚には外界の異物を体のなかに入れないようにする、あるいは体内の水分を外に出さないようにする「バリア機能」が備わっています。
たまたまそのバリア機能が弱い体質の人がいて、そういう人がアトピー性皮膚炎を発症してしまうのだと思います。
バリア機能が弱いとアトピー性皮膚炎になるということは、バリア機能を高めればアトピー性皮膚炎はよくなるという意味でもあります。
そして、バリア機能を補うために必要なのが保湿です。
考えてみれば、私たちは胎児のとき、羊水に浸かっていました。
胎児には皮膚炎がありませんが、それは皮膚が羊水という水で守られていたからです。
これと同様、バリア機能が弱い皮膚には保湿をしっかりとして、バリア機能を補えばよいのです。
当サイトは「アトピー性皮膚炎の治療は保湿で始まり、保湿で終わる」という考え方をもとに、効果的な保湿外用薬の使い方、皮膚を乾燥させないスキンケアのポイントなどを紹介しています。
もちろん、アトピー性皮膚炎の患者さんがもっとも気になるステロイド外用薬についても、塗り方、適量などを示すとともに、副作用についてもわかりやすく説明しています。
また、最新のタクロリムス外用薬(商品名プロトピック軟膏)の使い方や、重症・最重症の患者さんの治療についてもふれています。
当サイトをアトピー性皮膚炎に悩む患者さんやそのご家族のお役に立てていただければ、たいへんうれしく思います。
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