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プロトピック軟膏(タクロリムス外用薬)
タクロリムス外用薬は、新しい選択肢として注目されています
最近、大人のアトピー性皮膚炎が増えています。
症状のなかで増加しているのは、顔が赤く勝れてしまうケースです。
このようないわゆる赤ら顔の治療には、ミディァム(マイルド)クラス以下のステロイド外用薬を用いますが、塗ってもなかなか効きにくく改善がむずかしいことから「難治性の赤ら顔」といわれています。
難治性の赤ら顔にミディアムクラスより強いストロングクラス以上のステロイド外用薬を使うと、ある程度は症状が改善することがわかっています。
しかし、顔は皮膚が薄く、薬の吸収率の高い部位です。
作用の強いステロイド外用薬を長期的に用いることは、副作用の面からあまりお勧めできません。
そこで、難治性の赤ら顔に対する有効な治療法として期待されているのがタクロリムス外用薬(商品名プロトピック軟膏)です。
タクロリムス外用薬は、日本の製薬会社が開発した免疫抑制薬です。
この薬のもとになっているFK506は、筑波山麓の土壌中から発見された放線菌の一種(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)からみつけ出されました。
これは、そもそも肝臓や腎臓、骨髄を移植したときに拒絶反応を抑えるために用いられてきた薬ですが、アトピー性皮膚炎の治療薬としても使えるように軟膏の開発が進められ、大人用は1999年、小児用では2003年に健康保険の適用になりました。
現在では、隆界各国で承認され、とてもよく使用されています。
吸収率が低く、顔や首などに使われます
タクロリムス外用薬は、アレルギー性の炎症にかかわるT細胞という免疫細胞の働きを強力に抑える働きがあります。
その効果はステロイド外用薬より高いことがわかっています。
ただし、皮膚からの吸収率はよくないことから、多くは顔や首など吸収率のよい部位に用いられます。
手や足、胴体に使われることもありますが、効き始めるまでに時間がかかります。
速効性のあるステロイド外用薬の効果に慣れている人にとっては、少しもどかしいかもしれません。
ただし、使い続けることで効果が実感できます。
タクロリムス外用薬の注意点について
タクロリムス外用薬には免疫抑制作用があるため、ニキビが出たり、皮膚の感染症になったりすることがありますが、本当にごくまれです。
使用する量が少ないこともあって、副作用などもほとんどありません。
ただし、タクロリムス外用薬を使っているときは、なるべく日光に当たらないように注意しましょう。
日常生活で買い物に行ったり、洗濯物を干したり、通勤通学をする程度であれば気にすることはありませんが、過度の紫外線を浴びることは、望ましくありません。
運動会や海水浴のように日光に長時間当たる日は、薬は塗らないようにしましょう。
また、アトピー性皮膚炎の治療の一つに紫外線療法がありますが、タクロリムス外用薬を塗っているときは、この治療はできません。
さらに2歳未満の乳幼児、妊娠中や授乳中の女性も使用することはできません。
なお、マウスにタクロリムス外用薬を塗った実験では、高濃度の使用が長期間続くとリンパ腫が増加することがわかっています。
しかし、薬との関連性ははっきりしていません。
また、アトピー性皮膚炎の人が使用してもリンパ腫や皮膚がんの発生率が高くなるという報告もありません。
適量の使用であれば薬の成分が血液中に継続して入る心配はなく、問題はありません。
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