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抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬
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治療に使用する2種類の外用薬
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免疫抑制薬
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タクロリムス外用薬は主に顔や首などに使います
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ステロイド外用薬の治療効果を上げる4つのポイント
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プロトピック軟膏(タクロリムス外用薬)
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薬の特性を理解し、症状によって使い分けましょう
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新アトピー治療薬「タクロリムス」
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アトピーの塗り薬
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アトピーの飲み薬
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ステロイド剤でじょうずに皮膚のマネージメントを
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精製度の低いワセリンは注意する
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ステロイド剤は副作用がでる?
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抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬
v抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬とは、どんな薬?
抗ヒスタミン薬は、かゆみの原因となるヒスタミンという物質の働きを阻止して、かゆみを止める薬です。
抗アレルギー薬は、ヒスタミンをはじめ、ほかのさまざまな物質を分泌する肥満細胞に働いて、かゆみや炎症を止めます。
抗アレルギー薬のなかには、抗ヒスタミン作用をもつものともたないものがあります。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬には、たくさんの種類があります。
服用する量は、子どもの場合、体が小さいため、大人の量を飲むと効きすぎます。
また、錠剤は飲み込みにくいということもあります。
そのため、シロップや粉薬タイプの薬もあり、服用するときはそれらの量を調整します。
小児では使えないものもありますので、医師の指示にしたがってください。
飲み薬だけでは、かゆみは完全には止まりません
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬は、かゆみや炎症をとくに訴える人に用います。
ただし、効き方には個人差があり、一概にどの薬が効いて、どれが効きにくいとはいえません。
そのため、まず一つの薬を試してみて効果が出ないようなら、別の薬に変更します。
また、アトピー性皮膚炎のかゆみはヒスタミンだけでなく、さまざまなかゆみ物質がかかわって複合的におこるため、これらの薬を飲んだだけではかゆみを完全に止めることはできません。
治療では、皮膚に塗るステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などと併用することで、より強力にかゆみを止めることができます。
抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の副作用について
ヒスタミンは皮膚にかゆみをもたらす物質ですが、脳や胃、肝臓などにも存在し、脳神経に情報を伝えたり、中枢神経に働いて血圧を調整したり、筋肉を収縮させる作用をしたりします。
したがって、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でヒスタミンの働きを抑えてしまうと、それらの脳の働きもシャットアウトされてしまいます。
そのため、眠くなったり、体がだるくなったりすることがあります。
新しく開発された比較的眠くなりにくいといわれる第二世代の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でも、人によっては眠気などの副作用が出ます。
車の運転や高い所での作業など危険を伴う仕事に従事するときは、服用は控えたほうがよいでしょう。
このほか、緑内障や前立腺肥大症にかかっている人が、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を飲むと症状が悪化することがあるので、注意が必要です。
カテゴリー:アトピーに効く薬
治療に使用する2種類の外用薬
アトピー性皮膚炎では、患部にステロイド外用薬やクロリムス外用薬を塗って治療します。
この2つの外用薬は症状の改善に有効ですが、患者さんによっては使っても十分な効果がみられないことがあります。
このような場合、患部に必要な量を塗っていないことなどが考えられます。
そのため、外用薬の使い方は治療前に確実に覚えて、正しく実践していく必要があります。
アトピー性皮膚炎に使用するステロイド外用薬は、5つのクラスに分かれています。
薬にふくまれる薬効成分の種類と量、つまり作用の強さによって、ストロンゲスト(I群)、ベリーストロング(�U群)、ストロング(�V群)、ミディアム(マイルド:�W群)、ウィーク(V群)のクラスがあります。
薬の作用は、クラス名が示すとおり、ストロンゲストがもっとも強く、ウィークがもっとも弱くなります。
また、効果と同様に副作用もクラスが強いほどおこりゃすいため、医師が効果と副作用のバランスを考えたうえで、どのクラスのステロイド外用薬を用いるかを決めます。
ステロイド外用薬の適量
ステロイド外用薬を皮膚にしっかりと作用させるには、正しい量、つまりその患者さんに合った適量を塗ることが重要です。
軟膏やクリームでは、チューブを絞って、大人の人さし指の先から第一関節まで押し出した量は、約0.5g。
この量で大人の手2枚分(両手分)の広さが目安です。
現在、日本で処方されているチューブ入りのステロイド外用薬は、1本が5gです。
これで大人の手20枚分の面積が塗れる計算になります。
また、ローションタイプでは、1円玉大の量で大人の手2枚分の面積が適量です。
患部の広さと適量の目安
・大人の手2枚分11回0.5g(チューブ1/10本分)
・大人の手4枚分11回1g(チユー�dフ1/5本分)
・大人の手10枚分11回2.5g(チューブ1/2本分)
・大人の手20枚分11回5g(チューブ1本分)
ステロイド外用薬の塗り方
患部が広いときは、指で薬を量って塗るのはたいへんです。
その場合は、患部が大人の手の何枚分に相当するか、あらかじめ見当をつけて、塗る前に適量をお皿などに絞り出します。
たとえば、大人の手10枚分では、チューブの半分量を絞り出します。
これを指ですくって、少量ずつをちょんちょんと患部全体に置いて、手のひらで広げるようにして塗ります。
塗るタイミングは、入浴やシャワーのあと、皮膚に保湿外用薬を塗ってからがお勧めです。
皮膚が清潔になって、バリア機能を果たす皮膚のうるおいも、ある程度、保たれているからです。
また、治療の最初は、患部にまんべんなく塗ります。
3〜4日たつと皮膚の状態がよくなってきますので、そうしたら皮膚をつまんで硬い部分だけに塗るようにします。
2〜3週間ぐらい塗り続けると、硬かった皮膚もほかと同じようにやわらかくなります。
症状が改善したら、塗る回数を1日1回に減らします。
ただし、ミディアム(マイルド)タイプやウィークタイプを使っている場合は、症状がよくなっても1日2回続けたほうが経過がよいという報告もあります。
塗り方のポイント
・指でつまんで硬い部分には、やわらかくなるまで塗り続けます。
・症状が改善したら、塗る回数を減らします。
ステロイド外用薬のランクと薬名
| 薬効 | 一般名(商品名) |
| �T群 ストロンゲスト | クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベートなど) ジフロラゾン酢酸エステル(ジフラール、ダイアコートなど) |
| �U群 ベリーストロング | モメタゾンフランカルボン酸エステル(フルメタなど) ベタメタゾン酪酸プロピオン酸エステル(アンテベートなど) フルオシノ二ド(トプシムなど) ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(リンデロンDPなど) ジフルプレドナート(マイサーなど) アムシノ二ド(ビスダーム) ジフルコルトロン吉草酸エステル(ネリゾナ、テクスメテンなど) 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(パンデルなど) |
| �V群 ストロング | デプロドンプロピオン酸エステル(エクラーなど) デキサメタゾンプロピオン酸エステル(メサデルムなど) デキサメタゾン吉草酸エステル(ボアラ、ザルックス) ハルシノ二ド(アドコルチンなど) ベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV、べトネベートなど) ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(プロパデルムなど) フルオシノロンアセト二ド(フルコートなど) |
| �W群 ミディアム(マイルド) | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(リドメックスなど) トリアムシノロンアセト二ド(レダコート、ケナコルトAなど) アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(アルメタなど) クロベタゾン酪酸エステル(キンダベートなど) デキサメタゾン(グリメサゾン、オイラゾンなど) ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイドなど) |
| �X群 ウィーク | プレドニゾロン(プレドニゾロンなど) |
カテゴリー:アトピーに効く薬
免疫抑制薬
シクロスポリン(商品名ネオーラル)は免疫抑制薬の一つです。
もともとは、臓器移植のときにおこる拒絶反応を抑えることを目的に使われていましたが、皮膚の病気では、乾癖やベーチェット病などに用いられています。
アトピー性皮膚炎も、重症度が高くなかなか治らないケースでは、免疫の異常が強くかかわっていることが知られています。
そこで、難治性の患者さんに対して、この薬が使われるようになっています。
治療は原則として、外来で行います。
ネオーラル(商品名)の場合、薬の量は体重1kg当たり1日3mgから開始し、1日2回、飲んでもらいます。
そして、症状の改善状態をみながら、最長で3ヶ月間服用を続けます。
飲み始めて1ヶ月が効果を確認する一つの目安で、その時点での改善状態で服用の継続・中断を考えます。
免疫抑制薬による治療ができるのは、現在のところ16歳以上に限られています。
なお、この治療は2008年の秋に健康保険の適用になったばかりです。
くわしく知りたい場合は、主治医に開いてみるとよいでしょう。
そのほかの薬
最重症や重症の患者さんには、過剰な免疫の働きを抑えたり、炎症を治したりする目的でステロイド薬(商品名プレドニン、リンデロンなど)を内服してもらうことがあります。
また、補助療法として精神症状に効く薬などを併用することもあります。
かゆみがあると、イライラする、眠れないといった精神的な症状が強く出ることがあります。
逆に、ストレスがたまってイライラしていると無意識に体をポリポリとかいて、症状を悪化させてしまうこともあります。
そこで、精神的に高ぶったり、うつ状態になって気持ちの落ち込みがひどかったりするときなどは、それらの症状をやわらげる向精神薬や抗不安薬、眠れないときは睡眠導入薬を使用することがあります。
カテゴリー:アトピーに効く薬
タクロリムス外用薬は主に顔や首などに使います
タクロリムス外用薬は、炎症を抑える効果が期待されている薬です。
アトピー性皮膚炎では、おもに顔や首など、吸収率がよくステロイド外用薬が長く使用できない部位に塗ります。
ステロイドホルモンではないため、ステロイド外用薬による副作用の心配がなく、長期でも安全に使うことができます。
タクロリムス外用薬の適量
タクロリムス外用薬の使用量は、体重10kg当たり1回1g以内を1日2回までです。
たとえば、体重50kg(13歳以上で)の人であれば、1回5gを超えない量を1日2回まで塗ることができます。
患部に塗る適量の目安は、ステロイド外用薬の軟膏と同じです。
大人の人さし指の先から第一関節まで押し出した量が約0.5g。
この量で大人の手2枚分の患部に塗れます。
タクロリムス外用薬の特徴
タクロリムス外用薬は、炎症に対して著しい効き目があります。
ただし、塗った患部がほてったり、とリヒリしたりする刺激症状が出ることが欠点です。
そのため、初期に、かゆみがひどくてあちこちかいて、患部から血が出ていたり、ジクジクと水のような浸出液が浸み出していたりするときには使えません。
ステロイド外用薬を使って、症状が改善してきたところで使い始めます。
しかし、6〜7割の人は、皮膚に灼熱感があったり、ヒリヒリしたりします。
たいていは数日でおさまってきますが、なかにはいつまでも刺激感が残ることもあります。
使用する前に保湿外用薬を塗ると、ヒリヒリ感は少しやわらぎますが、塗ることを苦痛に感じるときは、いったんタクロリムス外用薬の使用をやめて、ステロイド外用薬に戻すこともできます。
タクロリムス外用薬はステロイドホルモンではないため、ステロイド外用薬による皮膚萎縮や血管拡張、多毛などの副作用はありません。
顔や首などにアトピー性皮膚炎の症状が出ている人は、何度でもチャレンジして薬に慣れてもらい、ステロイド外用薬なしで過ごせるようになるのが理想です。
カテゴリー:アトピーに効く薬
ステロイド外用薬の治療効果を上げる4つのポイント
(1)ステロイド外用薬は、皮膚の薄い部位と厚い部位では薬の吸収率が違います。
そのため、クラスの違う薬を一度に何種類か処方することがよくあります。
(2)ステロイド外用薬は、同じクラスのなかにたくさんの種類の薬があり、作用が少しずつ違います。
また、どのようなタイプのアトピー性皮膚炎に、どのステロイド外用薬がもっとも効果的なのかということは、個人差があり一定していません。
そこで、医師は同じクラスのステロイド外用薬を何種類も用意しています。
最初に使ったステロイド外用薬があまり効かないようなときは、別の薬に変更して様子をみていきます。
(3)ステロイド外用薬の剤形には、軟膏、クリーム、ローションがあり、皮膚に塗ったときの使用感に違いがあります。
たとえば、軟膏はとリヒリしにくいが、ベトベトしやすい、ローションは使用感がよいが、ヒリヒリしやすいなど、それぞれ特徴があります。
処方されたステロイド外用薬が患部に塗りにくいなど、使用に問題があるときは、担当医に相談してみましょう。
(4)よくなってきたからといって、完全に軽快していないうちに、急にステロイド外用薬をやめると、症状がすぐにぶり返してしまいます。
急にやめるのではなく、塗る回数を減らすことがたいせつです。
回数の減らし方などは必ず担当医に相談しましょう。
カテゴリー:アトピーに効く薬
プロトピック軟膏(タクロリムス外用薬)
タクロリムス外用薬は、新しい選択肢として注目されています
最近、大人のアトピー性皮膚炎が増えています。
症状のなかで増加しているのは、顔が赤く勝れてしまうケースです。
このようないわゆる赤ら顔の治療には、ミディァム(マイルド)クラス以下のステロイド外用薬を用いますが、塗ってもなかなか効きにくく改善がむずかしいことから「難治性の赤ら顔」といわれています。
難治性の赤ら顔にミディアムクラスより強いストロングクラス以上のステロイド外用薬を使うと、ある程度は症状が改善することがわかっています。
しかし、顔は皮膚が薄く、薬の吸収率の高い部位です。
作用の強いステロイド外用薬を長期的に用いることは、副作用の面からあまりお勧めできません。
そこで、難治性の赤ら顔に対する有効な治療法として期待されているのがタクロリムス外用薬(商品名プロトピック軟膏)です。
タクロリムス外用薬は、日本の製薬会社が開発した免疫抑制薬です。
この薬のもとになっているFK506は、筑波山麓の土壌中から発見された放線菌の一種(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)からみつけ出されました。
これは、そもそも肝臓や腎臓、骨髄を移植したときに拒絶反応を抑えるために用いられてきた薬ですが、アトピー性皮膚炎の治療薬としても使えるように軟膏の開発が進められ、大人用は1999年、小児用では2003年に健康保険の適用になりました。
現在では、隆界各国で承認され、とてもよく使用されています。
吸収率が低く、顔や首などに使われます
タクロリムス外用薬は、アレルギー性の炎症にかかわるT細胞という免疫細胞の働きを強力に抑える働きがあります。
その効果はステロイド外用薬より高いことがわかっています。
ただし、皮膚からの吸収率はよくないことから、多くは顔や首など吸収率のよい部位に用いられます。
手や足、胴体に使われることもありますが、効き始めるまでに時間がかかります。
速効性のあるステロイド外用薬の効果に慣れている人にとっては、少しもどかしいかもしれません。
ただし、使い続けることで効果が実感できます。
タクロリムス外用薬の注意点について
タクロリムス外用薬には免疫抑制作用があるため、ニキビが出たり、皮膚の感染症になったりすることがありますが、本当にごくまれです。
使用する量が少ないこともあって、副作用などもほとんどありません。
ただし、タクロリムス外用薬を使っているときは、なるべく日光に当たらないように注意しましょう。
日常生活で買い物に行ったり、洗濯物を干したり、通勤通学をする程度であれば気にすることはありませんが、過度の紫外線を浴びることは、望ましくありません。
運動会や海水浴のように日光に長時間当たる日は、薬は塗らないようにしましょう。
また、アトピー性皮膚炎の治療の一つに紫外線療法がありますが、タクロリムス外用薬を塗っているときは、この治療はできません。
さらに2歳未満の乳幼児、妊娠中や授乳中の女性も使用することはできません。
なお、マウスにタクロリムス外用薬を塗った実験では、高濃度の使用が長期間続くとリンパ腫が増加することがわかっています。
しかし、薬との関連性ははっきりしていません。
また、アトピー性皮膚炎の人が使用してもリンパ腫や皮膚がんの発生率が高くなるという報告もありません。
適量の使用であれば薬の成分が血液中に継続して入る心配はなく、問題はありません。
カテゴリー:アトピーに効く薬
薬の特性を理解し、症状によって使い分けましょう
塗り薬(外用薬)は、基剤をベースに薬効成分を溶かし込んでつくられています。
この基剤にはいくつかの種類があり、塗り薬は、その基剤によって軟膏とクリームの2種類に分けられます。
軟膏もクリームも基本的に同じ薬ですが、症状によって薬を使い分けます。
軟膏は、ワセリンをベースにしています。
皮膚の表面がむけてただれていたり、表皮が傷ついていて、ジクジクしている部分に使います。
こういう皮膚の状態のところにクリームを塗ると、クリームに含まれている乳化剤が刺激になり、悪化するのでクリームは使わないようにしてください。
クリームは、表皮が損傷されていないときに塗ります。
皮膚に炎症反応があって、表皮が完全に存在しているならば、クリームのほうが浸透しやすいのです。
軟膏かクリームかどちらの薬が自分の症状に適しているか悩むときには、軟膏を使いましょう。
軟膏は、表皮のある炎症にも損傷のある「じくじく」にも使えます。
軟膏とクリーム以外にもローションがあります。
表皮が完全に存在しているかさついた部分で、薄く塗りたい場合にはローション剤を使います。
ただし、ローション剤はクリームと同様に乳化剤が刺激になるので、ジクジクした部分には使ってはいけません。
湿疹が治まったあとも、鳥肌のようになっていたり、かさかさに乾燥したところは、かゆくなることがあります。
そのまま放っておくと、かゆくてかいてしまったり、洗剤や布の刺激などによって炎症を起こすおそれがあります。
せっかく湿疹が治まった皮膚が再び炎症を起こさないようにするために、薬効成分が含まれていない尿素軟膏、ヘパリン様物質の入った保湿剤や白色ワセリンを塗って、乾燥しないようきちんとケアし、しっとりとした状態を保つようにします。
それぞれの薬の特性を理解し、症状に応じてじょうずに使い分けて、日常の皮膚の健康状態を管理していきましょう。
塗り薬の種類と基材の選択
| 表皮がある | 発赤 | 腫脹 | 表皮欠損 | びらん | 潰瘍 | |
| 油脂性軟膏 | ○ | ○ | ○ | |||
| 乳剤性軟膏 | ○ | ○ | ○ | |||
| 水溶性軟膏 | ○ | ○ | ○ | |||
| ローション | ○ | ○ | ○ |
カテゴリー:アトピーに効く薬
新アトピー治療薬「タクロリムス」
顔の症状にすばらしい効果が見られる薬
「タクロリムス」を使った治療は、顔の症状が重い患者さんすべてに行う治療法ではありません。
この薬はそもそも臓器移植の際、拒絶反応を抑える免疫抑制剤で、これをアトピー性皮膚炎の塗り薬に応用したものです。
1999年11月には世界に先駆け日本で認可されました。
なぜアトピー性皮膚炎の治療に免疫反応を抑える免疫抑制剤が使われるのかというと、アトピー性皮膚炎は、臓器移植をしたとき、移植臓器を拒否する免疫反応に関係するのと同じリンパ球が、皮膚の炎症を起こしています。
「タクロリムス」は、このリンパ球に作用し、免疫反応を抑えることで炎症を鎮める効果があります。
この薬を使うようになって、アトピー性皮膚炎の顔の症状の治療について、それまでにない効果が見られるようになりました。
現在、日本では16歳以上の患者さんに使用が認められていますが、現在臨床試験が進められていて、近い将来には15歳以下の子どもの治療にも使うことができるようになりそうです。
気になる副作用ですが、臓器移植の際に使われる免疫抑制剤の注射や飲み薬では腎臓などに副作用が出た例もありますが、アトピー性皮膚炎の治療において、タクロリムスを使用する場合、塗り薬でも使用量は制限されていますから重大な副作用は心配ないとされています。
顔の症状がよくなると全身の症状もよくなる!
タクロリムスは、皮膚の厚いところには効き目が弱く、皮膚の薄いところに効く薬です。
その効果は、皮膚の薄い顔に塗るとてきめんにきれいになるので、よくわかります。
この薬が使われるようになってからは、医師の診察室ではいわゆる赤鬼様の顔が紅くなる患者さんはほとんどなくなりました。
しかし顔がじくじくしている患者さんに、いきなりこの薬を塗ってはいけません。
ステロイド剤を塗るなどして、顔のじくじくした症状を改善させてから使うようにします。
塗り方は、毎朝の洗顔後に少量を薄くのばして塗ります。
症状が安定したら、悪化の予防という意味で、ひたい、ほほ、首に線状に塗ります。
首は数センチ間隔で縦に線状に塗るだけで、再燃を予防できます。
タクロリムスを使って、顔の症状がよくなると自信がつくからでしょうか、全身のかゆみや湿疹も治まるケースが多く見られます。
これは、もともと日本人は外国の方たちに比べて、ふだんからよく顔を触り、何もなくても顔が気になって、触ったりかいたりすることが要因のようです。
しかし、タクロリムスは炎症を鎮める薬であって、根本的な治療薬ではないということを忘れてはいけません。
特殊な薬であるだけに使用には厳密な適用が求められます。
タクロリムスは、免疫にかかわる細胞にだけはたらくため、皮膚が萎縮して血管が浮き出るといったステロイドの副作用を避けることができるという利点があります。
しかしもう一方で皮膚にぴりぴりとした刺激感があることとか、感染が起きている部分に塗ると感染症を悪化させるという欠点もあります。
どんな薬でもそうなのですが、薬はその性質を十分に知り、この症状にはこの薬を選んで用いる…、といった「薬の適用」がきちんと行われること。
その適用が適切になされれば、タクロリムスはこれまでにない効果を与えてくれるすばらしい薬です。
今後は、アトピー性皮膚炎の湿疹のできた部位によってステロイド剤とタクロリムスを使い分ける治療法が広がっていくことでしょう。
カテゴリー:アトピーに効く薬
アトピーの塗り薬
ステロイド剤の使い分け方と正しい塗り方
ステロイドの塗り薬は、ワセリンなどのベースとなる基剤に副腎皮質ホルモンを加えてつくられます。
作用の強さは、加えられた副腎皮質ホルモンの強弱、濃度によって、ステロイド剤の強さに差が出ます。
したがって、患者さんの症状や年齢(大人か子どもか)、湿疹のできている部位によって薬は使い分けられます。
とくに顔や首、わきの下や陰部などは皮膚が薄くて吸収がよく、手足は皮膚が顔や首に比べて厚い分だけ吸収も悪いので、からだの部位によって薬を使い分ける必要があります。
顔や首など皮膚の薄い部分に強いステロイド剤を使い続けると外用ステロイド剤の副作用「酒さ様皮膚炎」になることもあるので注意が必要です。
顔や首には、基本的に弱いステロイド剤、ランクでいうと、「ストロング」「マイルド」以上のものは使わないようにします。
強いステロイド剤を塗る場合は、副作用のことを考えて、3週間以上続けて塗らないようにしなければなりません。
ちょっとひどくなったから薬を強いものにする淘少しよくなったからもう薬を塗らない、というように、患者さんが自分で判断をしないようにしてください。
必ず医師の指示に従うようにしてください。
塗り方としては、必ずさきに弱い薬を塗り、あとから強い薬を塗るようにしてください。
強い薬をさきに塗ると、塗った手に残っている強い薬が弱い薬を塗る部位にまでついてしまうことになります。
うっかり強い薬から塗ってしまった場合には、しっかりと手を洗い、薬を落としてから弱い部分を塗るようにします。
塗る部位の順序は、弱い薬を塗る顔や首筋から強い薬を塗るお腹や背中、最後にひじ、ひざ淘手足へ。
皮膚の薄いところから皮膚の厚いところへ塗ります。
また、塗るときに力を入れてすり込んではいけません。
力の入りにくい指の腹を使うとよいでしょう。
量もべトつくのは塗りすぎです。
とはいえ、少なすぎてもいけません。
塗る量が少なすぎると効果が得られないので、いつまでも塗り続けなければならなくなります。
塗り薬が処方されたら、どの薬をどこにどれくらい塗るのか、医師にしっかりと聞いて、確認しておきましょう。
カテゴリー:アトピーに効く薬
アトピーの飲み薬
ステロイド剤
よほどの重傷でないかぎりステロイド剤の内服薬(飲み薬)は使いません。
なぜならばステロイド剤は、体内の副腎皮質から分泌されるホルモンを人工的に合成した薬です。
それを飲み薬でむやみに補給していくと、体内で副腎皮質ホルモンを分泌するはたらきがどんどん鈍ってしまうようになり、病気を引き起こすことになるからです。
アトピー性皮膚炎の治療は、基本的に塗り薬で行い、かゆみ止めのほかには飲み薬は使いません。
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤には、かゆみを止める効果があります。
かゆくて夜眠れない、または無意識のうちにかいて、ひっかき傷ができてしまうのを避けたい……、そんな場合には、眠る前にこの抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を飲んでおくとよいでしょう。
しかし、かゆみが止まったからといってアトピー性皮膚炎が治ったと勘違いしないでください。
抗アレルギー剤はかゆみ止めであって、アトピー性皮膚炎を根本的に治すためのものではありません。
したがって湿疹などの症状も出ていないのにずっと飲み続けても意味がありません。
かゆみに我慢できない場合だけ使用するようにしましょう。
また、副作用として眠くなることがあります。
車を運転する人や、仕事で機械操作をする人などは、医師と相談してから使ったほうがよいでしょう。
アトピー性皮膚炎では、飲み薬は補助的な治療です
アトピー性皮膚炎では、かゆみを抑える目的で抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬を補助的に使用します。
保湿とステロイド外用薬の治療をしたうえで薬を服用すると、服用していない人より症状が改善したという報告が出ています。
カテゴリー:アトピーに効く薬
ステロイド剤でじょうずに皮膚のマネージメントを
アトピー性皮膚炎は根治できない病気です。
慢性的な湿疹がよくなったり、悪くなったりを繰り返します。
効果てきめんな治療法、決め手となるものはまだなく、かゆみを止めることを基本に治療を行っていきます。
そして、そのかゆみを止めるためには湿疹を治す必要があり、湿疹を治すためにステロイド剤は欠かせない薬なのです。
ステロイド剤について理解し、うまく使いこなしていけば症状を軽快することもでき、かゆみに悩むこともなくなります。
再びアトピー性皮膚炎が悪くなったとしても、またそのときの症状に適したステロイド剤をじょうずに使って、悪化させない工夫をすることができます。
つまりステロイド剤は、皮膚の状態をコントロールしながらアトピー性皮膚炎とうまくつきあっていくために力になってくれる薬だと思ってください。
ステロイド剤には、効き目の強いものや弱いものなど、種類がいくつもに分かれています。
ですから、医師の指示に従い、症状に適したランクのものを使い、強いランクのものを3週間以上にわたって使い続けるなど長期連用を避けて使えば、副作用を必要以上に恐れることはありません。
副作用に対する情報に過剰反応し、ステロイド剤をむやみに恐れて勝手に薬をやめてしまっては、症状の悪化、あるいは二次感染などで炎症を起こすといった状態を招くことにもなりかねません。
治療法は各人各様の症状によって異なります。
あせらずに、医師の指示に従って正しく薬を使い、毎日のケアをきちんと行い、根気よく治療を続けることが大切です。
カテゴリー:アトピーに効く薬
精製度の低いワセリンは注意する
ワセリンとは精製した鉱物油で、油性軟膏の基材のひとつです。
使用する際に気をつけなればいけないのは、ワセリンには一流メーカーの化粧品の原料としても使われている精製度が高いワセリンと、精製度が低い日本薬局方のワセリン(白色ワセリン)があるということです。
精製度の高いワセリンは安全性も高く、ほとんど刺激性がありません。
ただし、この精製度の高いワセリンは健康保険が適用されないために、患者さんに皮膚保護剤として使ってもらうにはかなり負担が大きくなってしまいます。
私がシャンプー、リンスのときに弱いステロイド剤の使用をお勧めしてるのはこうした理由もあります。
シャンプー、リンスのときの皮膚保護剤としては、副腎皮質ホルモンは必要ないのですが、精製度の高いワセリンは患者さんの負担が大きくなってしまうので、20〜30分程度の入浴時間であれば、保険がきく弱いステロイド剤をお出ししている医者もいらっしゃいます。
皮膚に問題ないとわかっていても、顔にステロイド剤を塗るのに抵抗があるという患者さんには、精製度の高いワセリンを勧めるアトピー専門医の方もいらっしゃいます。
日本薬局方のワセリン(白色ワセリン)は、健康保険が適用されているため患者さんの負担も少なくてすむのですが、このワセリンは精製度が低く不純物も多くなっています。
そのために変質しやすく、酸化しやすいので皮膚に塗るのは危険です。
顔に長期間塗った場合には、皮膚の色が赤黒毛なってしまいます。
皮膚保護剤としてよく知られており、雑誌などでもよくその名を目にするワセリンですが、ワセリンといっても、精製度の低いもの、高いものがあるということ、そして「ワセリンは純度が低いと危険なもの」ということを覚えておいてください。
カテゴリー:アトピーに効く薬
ステロイド剤は副作用がでる?
アトピー性皮膚炎の患者さんのなかには「ステロイド剤は副作用が心配」と、使用を必要以上に避けたがる方がいらっしゃいます。
しかし、ステロイド剤は正しい使い方をしていれば、決して怖い薬ではありません。
不安や心配からむやみに避けるのではなく、ステロイド剤について正しい知識を身につけ、じょうずに使って症状を改善させましょう。
ステロイド剤はどんな薬?
私たちのからだには腎臓の上に、副腎というホルモンを分泌する器官があります。
その外側部分の副腎皮質というところから「副腎皮顧ホルモン」というものが出ています。
このホルモンには炎症やアレルギーを抑えるほたらきがあります。
このはたらきに注目し、副腎皮質ホルモンを人工的に合成して作られたのが「ステロイド剤」です。
ステロイド剤の塗り薬は、ワセりンなどベースとなる基剤に副腎皮質ホルモンを加えて作られています。
ステロイド剤は、抗炎症作用が強いので、皮膚の炎症治療にはとても優れた効果を発揮します。
体内で分泌されるステロイドだけでは炎症が抑えられない場合に、ステロイド剤で補って症状を鎮めます。
ステロイド剤を使うと、湿疹が出ていた皮膚も驚くほどきれいになります。
しかし、よく効くからといって強い薬を使い続けることは正しくありません。
炎症は、外部から刺激を受けて、赤み、かゆみが皮膚を治癒しようという闘いが起こっているという現れです。
ですから、薬で炎症を抑えることは、自然の治癒力も抑えることになるかもしれません。
ステロイド剤による皮膚の副作用は、皮膚が薄くなるとか、細菌やカビ、ウイルスに感染しやすくなって湿疹がひどくなるといった形で現れます。
そういう状況で湿疹を放っておくことはできません。
かゆくてひっかいたりすると、湿疹はさらに悪化し、かゆみも悪化する、そしてまたかゆくなってひっかくという悪循環に陥ってしまいます。
また、炎症が治まったからといって、自分で判断して勝手に弱いステロイド剤に替えたりしてはいけません。
「ステロイド剤は一度使い始めるとやめられなくなる」といった噂を信じて、医師から出された症状に合ったステロイド剤でも、つけたりつけなかったり、またごく少量しか使わなかったりと、必要以上に恐れる患者さんもいらっしゃいます。
しかし、それではかえって症状を悪化させてしまうこともあるのです。
ステロイド剤はあくまでも炎症を抑える薬で、アトピー性皮膚炎そのものを治す薬ではありません。
患者さんの症状に合わせてステロイド剤の強さを決め、炎症が治まったら、ワセリンや尿素軟膏など、ステロイド剤以外の薬を使用するケースもあります。
「一度使い始めるとやめられなくなる」ということは決してありません。
とにかく自分で判断せず、皮膚科医の診察を受け、医師の指示に従って症状に合った薬を使いましょう。
ステロイド剤には外用薬(塗り薬)以外にも、内服薬(飲み薬)、注射薬があります。
内服薬はぜんそくや膠原病などの治療に主に用いられますが、アトピー性皮膚炎で使われることは、よほどの重症でない限りまずありません。
ステロイド剤の副作用とは?
ステロイド剤の副作用は、使ったからすぐに出るというものではありません。
強いランケのものを最低2~3週間使った場合に起こることがあるのだと覚えておいてください。
とくに顔や首は皮膚が薄くて吸収がよいので注意が必要です。
副作用は医師の指示に従い、症状に合ったランクのものを最低2~3週間使っていれば十分に防げます。
また副作用が起こるとしても全身的な問題はなく、薬を塗った部分の皮膚の免疫力の低梓による症状が現れます。
免疫力が低下するとその部分に細菌、カビ、ウイルスがついておできなどができやすくなります。
その他にもニキビができたり多毛になる、皮膚が萎縮する、毛細血管が拡張してほてったり出血しやすくなるといりたことがあります。
ニキビができたり多毛になることは、ホルモンの作用によるものです。
皮膚が萎縮するのは、ステロイドの細胞分裂や増殖抑制作用によります。
皮膚の色が黒くなることがありますが、これはステロイド剤のせいではありません。
色が黒くなるのは、皮膚の炎症が治まったあとに色素が残り、日焼けのように黒くなったものです。
ところがステロイド剤を塗って炎症が治り、炎症による赤みが消えると、その赤みで見えなかった色素が目立ってくるためステロイド剤による副作用とまちがわれやすいのです。
この色素沈着は、時間の経過とともに薄くなっていくので心配ありませんが、皮膚に炎症が起こったら、早期にステロイド剤で症状を治めて悪化させないことです。
そうすれば、炎症のあとの色素沈着も防ぐことができます。
いずれのケースでも、「これは今までの症状とは違うな」と感じたら、すぐに医師と相談することです。
早いうちに薬をやめるなど、適切な対応をすることで、副作用も短期間で治すことができます。
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