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アレルゲン除去はほどほどに
厚生労働科学研究社がまとめたガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の治療の柱の一つとして「原因・悪化因子の除去」をあげています。
これを「アレルゲンの除去」だと思ってがんばってしまう人が多いのですが、それは誤解です。
たしかに、ヒョウヒダニ(ダニの一種)、動物の毛、フケなどはアトピー性皮膚炎を悪化させる物質(アレルゲン)とわかっていますが、これらをすべて完壁に除去することは、不可能といってもいいでしょう。
なにより家から一歩外に出れば、大気中にはダニやホコリがたくさん浮遊しています。
アレルゲンの除去どころではありません。
アレルゲンの除去は、ほどほどにしておいても、アトピー性皮膚炎は、スキンケアと薬物療法をしっかり行えば、かなりの人は皮膚の状態がよくなります。
室内は、一般の掃除機で少しこまめに掃除をする程度で問題ありません。
寝具も素材に注意して清潔に使用すれば、高価なものをそろえなくても十分にまかなえます。
食事についても同様です。
やみくもにアレルゲンと思われる食べ物を避けることは問題です。
成長期にある子どもの場合、栄養不足に陥りかねません。
アレルゲンとなっている食べ物の除去は、アトピー性皮膚炎に食物アレルギーを合併していて、どの食べ物がアレルゲンかがはっきりしているときだけに行います。
つまり、ガイドラインのいう「原因・悪化因子の除去」とは、徹底した「アレルゲンの除去」というより、むしろ、ストレスをためない、汗をこまめにふく、刺激をさけるといった、自分で実行できる日常生活上の注意点を指しているのです。
民間療法では、アトピー性皮膚炎は治りません
アトピー性皮膚炎では、これまでステロイド外用薬に対してまちがった考え方や不安が根強くあったため、たくさんの民間療法が登場しています。
「アトピー性皮膚炎が治る」「アトピー体質・アレルギー体質が変わる」と書いた広告を数多く目にします。
なかには非常に費用のかかる方法もあるようです。
このような民間療法の多くは、「○○さんが治った」「○○さんの喜びの声を紹介」というように、個別のケースを紹介しています。
たとえその広告のとおりであったとしても、その治療はその人に効いたのであって、誰にでも効くとは限りません。
民間療法の、なにもかもが悪いというわけではなく、実際、精神的な部分で支えになって、症状の改善をもたらしてくれる可能性もないとはいえません。
しかし、「ステロイド外用薬を使わずに」といった、薬物療法の中止を促すものにはとくに注意が必要でしょう。
民間療法だけに頼り、正しい治療をしなかったために、せっかくの治すチャンスを逸して、悪化させるケースや重症化につながる危険性もまた少なくないのです。
あくまでも治療の基本は、「スキンケア」、「薬物療法」そして「原因・悪化因子の除去」です。
時間はかかるかもしれませんが、回復へのいちばんの近道であることに変わりありません。
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