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アトピー診察で全身を見せる理由
皮膚科で診察を受けると、患者さんのひざ、ひじの裏側、顔、背中、首などに湿疹が見つかった場合、いわゆるアトピー性皮膚炎の典型的な症状として、「これはアトピー性皮膚炎です」と診断されることもありますが、一般的な医者は、まず初めに患者さんのひざ、ひじの裏側、顔、背中、首など、湿疹がいわゆる典型的なアトピー性皮膚炎の湿疹が出るところにあるのを確かめ、それから全身を診て、「湿疹ができていない部分」を探します。
湿疹のできていない部分を探すというのは、湿疹のできていないきれいな部位を探し、その部分を広げていくためです。
湿疹のできていないきれいな部分を広げていくという考え方
からだのほとんどの部分に湿疹ができているのに、からだの一部が湿疹もなくきれいという人は、そのきれいな部分、たとえば下着(ブラジャーやパンツ)に覆われている部分だけ、あるいは靴下で覆われている部分だけ湿疹ができていないという場合、なぜその部分だけ湿疹もなく、きれいなのかを考えてみましょう。
そのきれいな部分を全身に広げていき、今、症状が出ている部分も湿疹のない、きれいな部分にしていくのです。
下着をつけている部分だけ、あるいは、靴下を履いていた部分だけきれいという人は、そこの部分の衣類の素材に注目します。
それは下着の素材が皮膚によい素材であり、下着あるいは靴下以外の衣類が増悪因子(悪化させる原因となっているもの)となっていると考えられるからです。
つまり、きれいな部分と同じような環境下におけば、湿疹が出ている皮膚にとっても「よい状態になる」と考え、きれいな部分と同じ素材のもので全身を包むようにしてもらいます。
そうすることで、皮膚の状態がかなりよくなったという患者さんも多いのです。
皮膚によい素材とは?
ではどんな素材が肌によいのでしょうか?
私は、肌に一番よい素材として絹をお勧めしています。
絹は繊維の間から汗を蒸発させてしまうので、繊維に汗が残りにくく清潔さを保てるからです。
絹以外ならば綿素材のものがよいでしょう。
できれば絹のようなさらりとした肌触りの平織りのものを選びます。
ただし、綿は繊維が津を吸うので着替えなければ、繊維に残った汀が皮膚を刺激するのでよくありません。
汗をかいたら、こまめに着替えるようにしましょう。
からだの一部が湿疹もなくきれいというケースは、その部分に絹あるいは綿などの素材の肌着をきちんと着ていたために、皮膚によい効果を与えたと考えられます。
素材選びは、アトピー性皮膚炎の患者さんの日常のケアとしてとても大切なことです。
診察室に来られる患者さんには、皮膚がきれいな部分を覆っていた下着、靴下の素材を確認し、同じ素材で全身を包むように、医者は説得します。
子どものアトピー性皮膚炎でも、赤ちゃんの場合、紙おむつに覆われている部分だけ皮膚の状態がきれいというケースがあります。
それは紙おむつが表面がつるつるしていて、吸湿速度、吸湿量に優れているために汗や尿をすばやく、しっかりと吸い取るといった工夫がこらされているからです。
そういうケースの赤ちゃんには、紙おむつで全身を包むようにすると、全身の皮膚の状態はかなりよくなります。
これと同じで、大人もよい環境下できれいな状態を保っている皮膚があれば、その部分と同じ環境にすることで湿疹のできている皮膚の状態はよくなるのです。
からだのある特定の部分に湿疹ができていない場合、「なぜ、この部分だけきれいなのか」ということを考え、身につけるものの素材から、毎日の生活まで見つめ直してみましょう。
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