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熱中できる趣味をもっと症状がよくなる?
何か好きなことに熱中していると、かゆみを忘れることができます。
アトピー性皮膚炎の湿疹を悪化させるのは、かゆさのあまりかいてしまい、そのひっかき傷が原因になっていることもあるのです。
趣味に熱中し、かかずにすめば、ひっかき傷も少なくなりますから、少しでも症状が悪化するのを防ぐことができます。
なぜ、夢中になれるものがかゆみを抑えてくれるのでしょう?
趣味や好きなことが本当にかゆさを忘れさせてくれるのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、非常に緊張したときなど、不思議とかゆみを感じなくなっていた、かゆみを忘れていた…、ということはないでしょうか?
また、緊張している間忘れていたかゆみも、緊張が解けたとたんに、またどっと出た…、ということがあるのです。
そもそもかゆみの場合、皮膚に特別の終末感覚装置がなく、細い神経繊維の終末が受容体のはたらきをしています。
そして、かゆみの激しいアトピー性皮膚炎などの病気の場合、表皮に炎症が起こると、かゆみの感覚の受容体が増えて、ますますかゆくなるのです。
かゆいときにかいてしまうと、かゆみの感覚ネットワークは密になり、ちょっとしたことでも激しいかゆみを感じるようになるのです。
受容体で感じたかゆみは脊髄を適って大脳に伝えられます。
緊張したときにかゆみを感じなかったというのは、大脳が緊張したり、他のことに熱中していたためにかゆみが無視されてしまったということのようです。
夢中になれるものをもつことがかゆみを抑える工夫になるというのは、そういうことなのです。
QOLを大切にした暮らし方
「アトピー性皮膚炎だからこれをしてはいけない」「あれもやってはいけない」と、生活の中で制限を多くつくってしまっては、患者さん自身のQOL(クオリティー・オブエフイフ=生活の質)が下がってしまうことになります。
だれもが「〜してはいけない」よりも「〜してみよう」といった、挑戦できることを考えていくほうが楽しいはずです。
好きなこと、興味のあることを自分の人生の楽しみにしていこうと取り組み、その結果、夢中になってかゆさも忘れられることができたなら、QOLがアップしたことになるのです。
「○○○をしているときはアトピー性皮膚炎のことも、かゆみも忘れてしまう」。
それくらい夢中になれるもの、熱中できるものを大切にすることで、QOLを大切にした豊かな暮らしが始まります。
そして、アトピー性皮膚炎とじょうずにつきあいながら、前向きに暮らしていくことができるようになるでしょう。
レジャーの勧め
大自然に囲まれた田舎の町で育った人は、都会で育った人よりも比較的、アトピー性皮膚炎の患者さんが少ないようです。
空気の美しい広々としたところで太陽の日差しをたっぷりと浴びて走り回り、泥まみれで遊ぶことは、皮膚を丈夫にします。
都会生活ではそういうことができなくなったということも、アトピー性皮膚炎になる人が増えた一因ではないかと思っています。
アトピー性皮膚炎ばかりではありません。
花粉症やぜんそくも、都会に住む人のほうがなりやすいようです。
たとえばスギ花粉症の場合、スギの木がたくさんある田舎の町で暮らしている人たちは、花粉がもっともよく飛ぶ時期、町の人ほとんどに花粉症の症状が現れると考えられますが、実際は、花粉症の人は少なく、むしろスギの木から離れた都会の人のほうが花粉症に苦しんでいるのです。
これは田舎に住む人と同じ量の花粉を吸ったとしても、都会に暮らす人の場合、花粉だけではなく、排気ガスもいっしょに吸ってしまい、この排気ガスによる複合汚染が原因となって花粉症になる人の数が多くなっていると言われています。
アトピー性皮膚炎も都会に暮らす人のほうがなりやすいのか、患者数も多いのです。
実証はまだされていませんが、これも排気ガスによる複合汚染であるとするならば、都会を離れ、自然に恵まれた田舎で暮らすことが花粉症やぜんそく、そしてアトピー性皮膚炎を防ぐことができるのではないかと考えます。
しかし、都会に住むアトピー性皮膚炎の皆さんに、治療のためだからと田舎に移住してもらうのはやはり難しいでしょう。
そこで私は、自然と親しむレジャーを勧めています。
アトピー性皮膚炎は風邪などの感染症のように、発熟したり、寝込まなくてはならないということはありませんが、やはりひとつの病気です。
ですから、「自分は病人なのだから、治療のためゆっくりと休む必要がある」と考えるようにします。
リラックスし、アトピー性皮膚炎であることを忘れてしまうほど、レジャーを楽しみ、熱中するのです。
しかし、レジャーといっても何をしてよいのかわからない、という患者さんがときどきいらっしゃいます。
レジャーとは何か? 私は、「みんなに喜ばれながら、自然のままの原始的な生活をする」。それがレジャーになると考えています。
では、「原始的な生活」とは何でしょうか? それは水道や電気など通っていない、自然のままに近い生活です。
不便だ、汚いと思われる人もいらっしゃるかもしれません。
そんな清潔であることに神経質にならないこと、大らかな気持ちでリラックスタイムを楽しむこと、それこそが「原始的な生活」と考えてもらえればよいかもしれません。
たとえばオーストラリアでイルカと遊ぶとします。
可愛いイルカといっしょになって戯れていると、童心に帰ったように楽しいですし、のびのびとした気持ちになれ、心を和ませてくれます。
ところが、イルカは決して清潔ではありません。
お風呂にも入りませんし、除菌もしてありません。
プランクトンなどさまざまなものが浮遊している海の中で暮らしているので、からだにはそうしたものがたくさんついています。
そんなイルカに直接触れ、いっしょに海につかって遊んだりするのですから、清潔とはいえない環境におかれているはずです。
しかし、そういうなかでイルカと遊んでストレスから解放され、日光を浴び、泳ぐことで症状がよくなることが多いのです。
このように遊ぶ本人も、それを見ている人も、みんなが楽しめる自然のままの時を過ごす…、それこそが「みんなに喜ばれながら、自然のままの原始的な生活をする」ということなのです。
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