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アトピーの断食治療法がある。果たして効果は?
医師の指示のもとで行わなければ大変危険です
断食は、医師の指示のもとで正しく行われれば効果があるという報告があります。
しかし患者さんが自分の判断で行うことは、別の病気を引き起こす危険性もあるので決してしないでください。
断食を行う場合は入院して、日記(記録)をつけながら、点滴注射などで必要な栄養をきちんととりながら行います。
効果が得られた場合、断食そのものの効果があったと考えることもできますが、私はそれがすべて断食の効果による結果であるとは思いません。
それはむしろ入院という環境においたことと、また日記をつけることで自己を客観的に認識できることがその有効性を裏付けていると考えます。
要するに「自分を見るもう一人の自分」を鍛錬させるのが断食療法なのです。
そして、自分の悩みは何か、何に困っているのか、そして何をすると症状が悪くなるのかを自分で認識することが大切です。
それを認識するようになれば、自分の皮膚の状態をよくするために何をしてはいけないのか、何をすればよいのかがわかるので、自分で健康管理を行うことができるようになるのです。
アトピー性皮膚炎を自分で治すのだと決意して、自己管理をする。
そのための鍛錬をするのが断食療法なのです。
カテゴリー:アトピー症状を改善する食事療法
アトピー性皮膚炎は生活習慣病といえる
「生活環境病」と考えることができる
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみをともなう湿疹が出て、それがよくなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な病気です。
かつては、子どものころにアトピー性皮膚炎になっても、思春期、あるいは大人になると、患者さんのほとんどは症状が改善する傾向にありました。
しかし最近では、思春期以降も症状が軽快しない、成人になってからひどい症状が出るようになった、などの「成人のアトピー性皮膚炎」の患者さんが増えてきました。
その原因としてさまざまなことが考えられますが、今のところ、「これが原因である」と断定できる原因物質は、残念ながら見つかっていません。
私は、患者数が激増した時期とそのころから大きく変わった日本の生活環境とを見つめ、考えてみると、アトピー性皮膚炎は現代生活の環境の変化によって発生した「生活環境病」と考えることができるのではないかと思っています。
そうした視点で見つめ直してみると、現代の生活環境が、いかに大きく影響しているかということがわかってくるのではないかと考えています。
当サイトではその理由について、詳しく説明していきます。
カテゴリー:アトピー症状を改善する食事療法
食事制限はするべきか?
因果関係がはっきりしない限りは、むやみに食事制限しない
アトピー性皮膚炎の患者さんのなかには、「食事で気をつけることは?」とか「食べてはいけないものを教えてください」といったことを質問される方がいらっしゃいます。
しかし、アトピー性皮膚炎は、食べ物が直接の原因でないことが多いので、原因もわからないうちから食事制限をするのは危険です。
食事については、因果関係がはっきりしない限りは、むやみに制限しないことです。
食事制限をする場合には、始める前に食べた物について厳密に記録する食事日記をつけてもらいます。
1ヶ月以上にわたり完全な日記をつけて、疑わしい食品が見つかったら厳格な除去食を日記をつけながらやってもらいます。
食事について注意することがあるとしたら、多くの種類の食材をバランスよく摂取することです。
私は食事に関して強い関心を示す人には、「回転食」を勧めています。
「回転食」とは、一つの食材を偏ってとらないように、「主食・タンパク質・野菜」といった形で食事の内容を分類し、それを回転させながら食材を選んでいく食事法です。
日によって食事の内容をがらりと変えるので、トータル的にさまざまな種類の食品を使った食生活となるわけです。
このように、回転食療法は、食事をローテーションさせていくことで栄養素がまんべんなくとれるのです。
回転食のやり方は、大きく分けて2つあります。
一つは除去する食品を決めて、それを含んだ食品は一切とらない日を決めて、回転させる方法です。
もう一つは、「牛の日」「豚の日」「魚の目」「卵の日」「豆の日」というふうに副食の食材を決めてから献立を決める方法です。
主食については、種類は少ないのですが、月曜日はごはん、火曜日はパン、水曜日はめん類の日にするなどして、献立に変化をつけ、食事を楽しみます。
種類豊富な野菜も、それぞれの栄養について気をつけながら旬のものをとり入れていきます。
大切なのはバランスよく食事をとること。
「食物アレルギー」を気にしすぎて、偏った栄養摂取をすると、栄養のバランスが崩れ、症状が悪化するなど、かえって逆効果となる場合があります。
特定の食品をとらないという「除去食」を強く希望される場合は、除去する食品の栄養について確かめて、代わりの食品できちんとその栄養を補う必要があります。
また、卵はダメだと除去していて、卵が原料であるケーキ、アイスクリームやプリンなどを毎日食べていては除去食にはなりません。
中途半端な除去食の仕方をしていては、アレルギーの原因となる食べ物をつきとめることもできませんし、除去食をする意味がまったくないことにもなるのです。
一定期間正しい方法で行い、結果が出なければ、それは除去した食べ物が原因ではないということですから、除去食は速やかにやめるべきだと考えます。
正しい除去食の仕方
(1)「これが原因となる食べ物だ」と思われる 食品を、まず除去してみます。
(2)皮膚は28日周期でターンオーバー(新陳代謝)します。
この周期を目安に、1ヶ月間、食物アレルギーのアレルゲンと思われる食品を完全に除いて皮膚の症状をみる「除去食」を行います。
(3)1ヶ月で皮膚の症状に変化が現れれば、食品アレルギーの可能性が考えられます。
(4)さらに除去食を3ヶ月続けてみます。
(5)3回ターンオーバーしてみて、症状がよくなったならば、その食品がアレルゲンであり、除去食の効果があったとみなすことができます。
(6)次に誘発試験(付加試験)を行います。
この誘発試験とは症状を誘発する試験のことです。
3ヶ月間除去してきた食品をここで初めて食べてみます。
(7))誘発試験の結果、症状が悪くなったならば、除去した食品が原因と断定することができます。
この一連の試験で実証されない限り、その食品を原因とは断定できません。
したがって、除去食を続けることは意味がなく、からだにも悪いので直ちにやめます。
除去食を行って、原因をつきとめるのも一つの方法ではありますが、大人の場合は、食物アレルギーとは原因が異なるケースが多いのです。
安易に除去食を行わず、医師と相談して、やるならば正しい方法で行うようにしてください。
まずできることをやってみる
「私の食物アレルギーは、お米がアレルゲンなんです」と言って、十分に調べることなく、お米を除去する患者さんがいらっしゃいます。
しかし、お米は食品としてかなり安全なものであり、アレルギーの原因になるとは考えにくいのです。
疑う気持ちもわからなくはないのですが、それならば、さきほどご紹介した除去食の仕方をきちんとやってみて、アレルゲンであることを実証する結果が出てから食事制限すべきです。
抗原検査(アレルギー検査)で、お米に対する反応がプラスと出たからといって、すぐにお米を除去し安心するのではなく、1ヶ月うどんとパンだけの食生活をしたら、本当に症状はよくなかったかどうか、それをきちんと確認すべきです。
ところが、検査でお米がアレルゲンだとわかったのでお米はまったく食べませんと言いながら、お米を使った食品であるおせんべいを食べたり、モロミを使ったお醤油などを使っている方がいらっしゃいます。
お米を絶つのならば、お米を使った食品も一切絶ち、その後の症状がよくなるかどうかをチェックしなければ除去食した意味がありません。
自分が本当に食物アレルギーであるためにアトピー性皮膚炎がひどくなっているのかどうか、またそのアレルゲンはお米なのかどうか、それらはすべて調べればわかることです。
問題は、本当に調べようとしたかどうかということです。
除去食を始めると言ってお米を絶つはずが、お米を使った食品を食べているということは、本当に調べようとしていないのと同じなのです。
また粗食がよいと、お米を絶って、ひえやあわなど食べている患者さんもいらっしゃいますが、これはアトピー性皮膚炎を治すよりもさきに栄養のバランスを崩してしまい、別の病気になるおそれもあるので危険です。
お米のもつ栄養をそれと同じ栄養価のもので補わなければ、栄養不足となり、体調バランスを崩すということも忘れないでください。
とにかく、わけもわからないまま、評判ばかりにまどわされて特定の食品をアレルゲンとして避けることは、からだにとってとても危険であることを知っておいてください。
カテゴリー:アトピー症状を改善する食事療法
妊娠したら赤ちゃんのために除去食をしたほうがよい?
食物アレルギーは別のものと考え、栄養をしっかりととりましょう
アトピー性皮膚炎は卵アレルギーだけで説明できるような病気ではありませんので、すべてそれにあてはめて、そのような食事制限をするのはあまり意味がないと私は考えます。
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは別のものと考えて、栄養のバランスのよい食生活を心がけましょう。
また、除去食をすれば子どもがアトピー性皮膚炎にならないなどということはありません。
それを知ったうえで妊婦さんが除去食を行う場合、栄養面でも悪影響が大きいので、正しい栄養バランスを考える必要があることを知っておいてください。
卵、牛乳は安価で良質のタンパク質には欠かせない食品であり、しっかりととるべきです。
どうしても避けたいのなら、栄養価として同等の代わりのものを見つけて必ず補給してください。
補給しなければ栄養不足や偏りによって、妊婦さんご自身の健康やお腹の赤ちゃんの発育にとても悪い影響を及ぼすことになります。
除去食を行う場合は、きちんと栄養指導を受けてから行うようにしましょう。
専門的な指導のもとでなく、勝手に食事制限をすることで、子どもが未熟児として生まれてしまうことにもなりかねません。
妊婦さんは自分自身のため、そして生まれてくる赤ちゃんのためにも正しい知識をもって健康について考えなければなりません。
お母さんになるのですから、変なおどしや噂にのらないよう賢くなりましょう。
妊娠したとわかったら
妊娠したアトピー性皮膚炎の患者さんのなかには、自分のからだのこと、赤ちゃんのこと、いろいろ心配になって私のところへ相談に来られる方がいらっしゃいます。
その方たちに私は、「とにかく第一に産科の先生の話を聞いてください。産科の先生から皮膚科へ行くようにという指導があれば、皮膚科へ来てください」と言っています。
また妊娠しても、化粧したり、おしゃれをしたりとか、美しくしていたい気持ちもわからなくはないのですが、とにかく「産む」ことに専念するようにしてくださいと指導します。
妊娠するとどうしても体調の変化が起こります。
アトピー性皮膚炎の患者さんでは湿疹がひどくなる場合もあります。
そこで湿疹を隠そうと化粧を濃くしたり、悪化した湿疹に落ち込んでいるばかりでは、患者さん自身の心身の健康にも、また胎教にもよくありません。
妊娠したら細かなことに悩みすぎたり、こだわりすぎたりせずに、前向きにはがらかに毎日を過ごし、産むことに集中しましょう。
特別なことをする必要はありません。
ごくふつうの生活をして出産に備えればよいのです。
また、妊娠する前に、アトピー性皮膚炎とつきあいながら、出産までの長い日々を健康に気持ちよく過ごすためには、衣食住、どういう生活を送るべきか、どうすれば健やかな赤ちゃんが生まれるのかをよく考え、勉強しておいてください。
当サイトでも紹介した日常生活のケアなどをしっかり読んで、実行していただきたいと思います。
正しい知識をもっていれば、安心して出産準備にかかることができますし、よけいな情報にふりまわされてオロオロしないで落ち着いて行動できるでしょう。
カテゴリー:アトピー症状を改善する食事療法
かゆみや炎症を悪化させる食べ物
かゆみや炎症を悪化させる「仮性アレルゲン」があります
かゆみや炎症を悪化させ、アレルギーに似た症状を引き起こす食品を「仮性アレルゲン」と呼んでいます。
この仮性アレルゲンとは、かゆみや炎症を悪化させる物質を含む食品のことで、その名のとおり本物のアレルゲンではなく、アレルギーのような症状を引き起こすため「仮性」アレルゲンと呼ばれているわけです。
ヒスタミンやコリンなどの物質を多く含む食品に代表されます。
これらの物質以外にも、かゆみや炎症を起こす物質はあり、注意が必要です。
これらの物質を多く含む食品を食べると、かゆくてかいてしまい、その結果皮膚を傷つけ、アトピー性皮膚炎を悪化させることになるので、皮膚の状態が悪いときはもちろん、そうでないときも食べ過ぎには注意します。
代表的なものとして、
いろいろあるので、一覧表をチェックしておきましょう。
仮性アレルゲンを含む食品は表のとおりです。
仮性アレルゲンを含む食物
| 物質名 | 食物 |
| ヒスタミン | ほうれん草、なす、トマト、セロリ |
| コリン | トマト、たけのこ、なす |
| セロトニン | トマト、バナナ、パイナップル、キウイ |
| ノイリン | 塩漬けのさけ、冷凍のたら |
| トリメチール | イカ・カニ・エビなどの甲殻類、貝類、さめ、たら |
| チラミン | チーズ、アボカド、にしんの酢漬け |
| フェニールエチルアミン | チョコレート、チーズ、赤ワイン |
| トリプタミン | トマト、プラム |
仮性アレルゲンを含む食品
●皮膚の炎症を悪化させる作用がある食品
リンゴの皮、イチゴ(サルチル酸化合物)
●皮膚にかゆみを起こす(ヒスタミン)食品
ほうれん草、トマト、なす、たけのこなどの野菜・肉類にはヒスタミンが多く含まれています。
仮性アレルゲンを含む食品をとってかゆくなるのは、アレルギーとは違うメカニズムから起こることです。
仮性アレルゲンを含む食品自体が、アトピー性皮膚炎を起こす直接の原因ではないわけです。
ですから仮性アレルゲンを含む食品すべてを避ける必要はありません。
さきほどの除去食の話ともつながりますが、アレルギーやかゆみを恐れるあまり「これは大丈夫」と自分で思い込んだ、少ない種類の食品を偏ってとることは絶対にやめてください。
偏った食生活を続けることで、別の大きな病気にかかることになるかもしれません。
評判や思い込みにまどわされず、正しい知識をもって、バランスよく栄養のとれる食生活を送りましょう。
調理法を工夫して、バランスのよい食生活を心がけましょう
仮性アレルゲンを含むものは、まったく食べないというのではなくて、工夫して食べるようにしましょう。
それぞれの食品に合わせて、調理法を考えて作ったものを、少しずつ食べるなら大丈夫です。
ほうれん草なら、バター妙めにするとヒスタミンが残ってしまうのでかゆみを引き起こしますが、ゆでると仮性アレルゲンが少なくなるので、おひたしにして少しだけ食べるのならば心配ありません。
刺激物を避ける方もいらっしゃいますが、唐辛子は、これに含まれるカプサイシンが最近かゆみどめにも使われているほどですから心配ないと私は思います。
コーヒーもカフェインを多く含んでいるので、一日に何杯も飲むと心臓に悪く、問題があるかもしれませんが、一日1杯程度であれば問題ないと考えます。
同じお茶でも抹茶の濃いものはかゆみを強くしますから避けたほうがよいでしょう。
いずれの食品にしてもたくさんとり過ぎなければ、大丈夫です。
心身の健康のためにも食生活は多くの種類の食品をバランスよく、少しずつとるように心がけることがとても大切なのです。
カテゴリー:アトピー症状を改善する食事療法


