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顔のアトピー性皮膚炎は、心理的な原因によるケースがある
まさかと思われるかもしれませんが、「アトピー性皮膚炎になりたい」「敏感皮膚になりたい」とか「アトピー性皮膚炎を治したくない」という人が意外に多いのです。
この「なりたい」「治したくない」という気持ちは、大人のアトピー性皮膚炎の大きな心理的ファクターになっています。
こんな事例があります。
D子さんはアトピー性皮膚炎ですが、顔の症状がもっともひどく現れています。
医者のところに診察を受けに来られ、薬を塗り、日常のケアをきちんと行ってもらうことで顔以外の部分はきれいに治りました。
しかし、なぜか顔だけ治りません。
入浴の仕方、枕、布団など、気になるところはすべて改善してもらいましたが、いっこうによくならないのです。
日ごろの生活の仕方などきつく注意すると、次に来るときはよくなっているのですが、その次に来るときはまたひどくなっている、という繰り返しです。
そこで、家庭の状況など詳しく話してもらいました。
D子さんのお父さんは仕事が忙しく、残業ばかりで帰宅も遅い会社員。
お母さんは美容院を経営していて、毎日朝から夜まで休む暇がないほど忙しいというご両親でした。
お母さんが美容師さんならば洗髪はプロの技術でやってもらえます。
D子さんの顔の症状はシャンプー、リンスなどの刺激によるものではないかと気になっていたので、「お母さんに髪を洗ってもらいなさい」と指示しました。
すると、D子さんは「先生、母が洗髪してくれるように診断書のようなものを書いてください」と医者に頼んできたそうです。
医者はそれを書いて渡したところ、次の診察のとき、D子さんは二コニコと笑顔満面で、顔の症状もきれいに治っていました。
お母さんがいつも忙しくて、自分のことをかまってくれないことに不満、寂しさを感じていたD子さん。
「アトピー性皮膚炎になりたい」「とくに目立つところは治したくない」という気持ちが、症状を悪化させたり、治らないようにさせていたようなのです。
なぜならばD子さんの症状がひどいと、お母さんが「大丈夫?」とか、いろいろ声をかけてくれたり、あれこれ心配してくれるからです。
つまり、かまってほしさから、アトピー性皮膚炎を治したくなかったわけです。
そして、この診断書をもらったことで、毎日お母さんに頭を洗ってもらえ、かまってもらえると思うと心が満たされて、めきめきとよくなったようなのです。
このD子さんのように、かまってほしい、気にかけてもらいたい、心配してほしいという甘えの気持ちがあって、顔、首、手など目立つ部分の症状を治したがらない人は、大人のアトピー性皮膚炎の患者さんには意外に多いのです。
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